本年度も多数の推薦があり、審査対象は107件に上った。規模の大きな高層住宅の推薦が多かったが、小規模な低層住宅、コーポラティブ住宅、既存住宅の改修、維持管理に優れた住宅など多様な推薦も見られた。推薦住宅は、全般的には、大阪市の集合住宅の水準が向上してきたことを反映したものとなっているが、長期耐用性や維持管理水準の向上を意図した住宅、既存住宅の改修、維持管理の取り組みなど、ストックへの関心の高まりが読み取れた。
審査委員会においては、書類審査、現地審査を経て、多面的な視点から協議を重ね、複合型超高層集合住宅と木造長屋住宅の再生を受賞住宅として選定した。いずれもストック重視の都市型集合住宅のモデルと考えられ、都心居住のふたつの方向性を示すこれらの住宅は、目指す居住空間やライフスタイルは異なるものの、ともに明快なコンセプトと実現された空間の質の高さや、関係者の実現に向けた努力が評価された。
惜しくも選定に至らなかった住宅として、子育て支援施設や魅力的なプログラムを整備した住宅、管理組合活動を通じて物理的な維持管理のみならずコミュニティの活性化に取り組んでいる住宅、多様な都市型ライフスタイルに対応した賃貸住宅などがあった。
今後、温室効果ガス排出の抑制や景観形成などに配慮した住宅、子育て支援や地域まちづくりへの貢献など社会との繋がりを確保した住宅、既存住宅ストックの再生・活用、住まい手自身による維持管理の工夫をした住宅などの提案を期待したい。